こんにちは!アンドリューです!
実は、前から欲しかったソフトシンセがあるんですよ。それはSound Canvas VAというマルチティンバー音源1。ご存じ、有名なGM音源2「Sound Canvasシリーズ」のソフトシンセ版です。
以前から気になっていたSound Canvas VAを購入できたので、実際に使ってレビューしてみます。なかなかいい感じでしたよ。
Sound Canvas VAは、2024年9月1日をもって販売終了しました。現在は新規購入できません。また、今後のアップデートも予定されていません。
Lifetime Keyを購入済みのユーザーは、動作条件を満たす環境で引き続き利用できます。ただし、Roland Cloud Managerから新規インストールできない場合は、Roland Cloudサポートへの問い合わせが必要です。
この記事は、販売されていた当時に実際に購入して使った記録として残しています。今から使える総合音源を探している人は、記事後半の「Sound Canvas VAの代わりになる総合音源は?」も参考にしてください。

というわけで、レビューいってみましょう♪
TTS-1と比べてみて
では、まず同じRoland系のマルチティンバーソフトシンセTTS-1と比べてみようと思います。TTS-1は、当時SONAR3に標準で付属していたので、使ったことがある人も多いんじゃないかな?同じマルチティンバー音源として比較してみましょう。

マルチアウトじゃない
Sound Canvas VAは、マルチアウト4じゃないのが痛い。
TTS-1は4系統までマルチアウトに対応しているので、パートごとに別のエフェクターへ流しながらオケを作れます。しかし、Sound Canvas VAはマルチアウトに対応していません。それは誤算だったなぁ……。
Sound Canvas VAの出力全体を、まとめてエフェクタープラグインへ流すことしかできません。内蔵エフェクターで十分ならいいけど、各パートをDAW側で細かくミックスしたいときは不便です。従来のGM音源のように、1つのプラグインでMIDIデータをまとめて鳴らす用途を重視した設計なのかな?
GM音源らしく、シーケンスを一発で鳴らす用途には強いんですけどね。だから、曲のスケッチにはいいと思います。
音は平べったい
音のキャラクターは、TTS-1と比べて平べったいと思います。TTS-1はまだ透明感があったのですが、Sound Canvas VAは壁から鳴っている感じかな(笑)GM音源って、こういうキャラクターだったんだぁと改めて感じました。5
しかし、このキャラクターだから、打ち込みでも音が薄くなりすぎないのかもしれません。ゲームミュージックには、いい感じだと思いますよ。DAW上でコンプをかければ、それなりに前へ出すこともできます。
音色が多い
Sound Canvas VAは、TTS-1より音色数が多いのがいいですね!PCM音源は、元になる波形の種類が使い勝手に直結します。エディットで音色を変えられても、元の波形がイメージと違えば、やっぱりなんか違うわけですし。
というわけで、音色数を比較してみましょう。
| ソフトシンセ | 音色数 | ドラムキット数 |
|---|---|---|
| Sound Canvas VA | 1,600以上 | 63 |
| TTS-1 | 256 | 9 |
Sound Canvas VAは、音色数だけならTTS-1の約6倍。TTS-1では音色が足りないと思うこともありましたが、Sound Canvas VAはラフやスケッチで使うぶんには、かなり幅広く対応できます。
SONARと相性がよくない?
当時のSound Canvas VAは、公式情報でもSONAR使用時の制限が案内されていました。プログラムチェンジが正常に動作しないなど、いろいろ厄介です。ただし、Sound Canvas VA側で音色を設定しておけば、曲の途中でプログラムチェンジを使わない限り、そこまで不便ではないかな?
ていうか、僕もSONARを使っているのですけど……。だーっ!!(^.^;って感じ。なんで!?Rolandが元親会社だったのに(笑)
Sound Canvas VAのその他の感想
音色エディットがもうちょっと充実してほしい
Sound Canvas VAに足りないところは、音色エディットかなぁ。もうちょっと項目が多いと、さらに使えるんだけどなぁ。
たとえば、トレモロやディケイレベルのエディット。トレモロというか、LFOで音を揺らせると素材感が出せていいなと。ツルツルからザラザラに、とかね。
ディケイレベルを調整できれば、アタックだけ一瞬前へ出して、その後は音量を落とし、アレンジの邪魔になりにくい音色も作れます。特にゲームミュージックでは便利だと思うのです。
そーいうのがあるといいけど……えぇ、わかっています。GM音源なので、コントロールチェンジにないエディットを増やしても仕方ないって話ですよね。けど、やっぱり残念。

音色選択中にほかの操作ができないじゃないか!
そうなんですよ。音色を選ぶときに、ほかの操作ができないのが、なんだかなぁ~と思います。
音色はリストから選ぶのですが、その間はほかのウィンドウを操作できません。というと、当たり前じゃんと言われそうだけど、そうじゃない!(笑)
なんと、DAWソフトの画面も操作できないんです。停止や再生、ミュートもできません。(SONARだけ?)
Rolandさん、なんとかしてください!
音ネタが多くて助かる
効果音カテゴリーの種類が多いので重宝しています。主に深夜の2時間DTMですが(笑)
曲の冒頭に効果音を加えると、一発で曲の世界へ引き込めますし、つかみにもなります。
GM音源らしい効果音はもちろん、和楽器系の効果音も入っています。和の雰囲気を出したいときにも重宝していますよ。

Sound Canvas VAの代わりになる総合音源は?
Sound Canvas VAは販売終了したため、これから新品で導入することはできません。また、GS対応MIDIデータの再生まで含めると、現在のソフト音源に完全な代替品はないと思います。
ただし、「いろいろな楽器を1本で鳴らしたい」「曲のスケッチを素早く作りたい」という目的なら、ほかの総合音源へ置き換えられます。
- Xpand!2
軽くて手軽な総合音源。4パートのマルチティンバーに対応しており、スケッチ用途ではSound Canvas VAに近い使い方ができます。ただし、GM/GS互換音源ではありません。 - KORG M1
少し古さのあるPCMサウンドや、90年代らしい音色が欲しい人向け。8パートのマルチモードを備えています。Sound Canvasとは音の系統が違いますが、音楽的な味のある総合音源です。 - Roland JV-1080/Roland XV-5080
ローランドのPCM音源らしい音色を求めるなら有力候補。ソフトウェア版は1インスタンス1パートなので、ハード版のようなマルチティンバー音源ではありませんが、複数インスタンスを立ち上げれば各パートをDAW側で個別にミックスできます。 - Roland ZENOLOGY PRO
現在のRolandサウンドを幅広く使いたいなら、かなり有力な候補。GM/GS互換音源ではありませんが、豊富なプリセットを素早く選べるので、曲のスケッチや総合音源として使いやすいです。
Rolandのソフト音源を横断して選びたい人は、Rolandソフト音源ガイドでJV-1080/XV-5080/ZENOLOGY PROなどをまとめて比較しています。
昔のMIDIデータをSound Canvasらしく鳴らしたいのか、これから曲を作るための総合音源が欲しいのかで、選ぶべき音源は変わります。後者なら、無理にSound Canvas VAの中古ライセンスなどを探すより、現在も更新されている音源を選んだ方が安心でしょう。
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今回のまとめ!
今回のSound Canvas VAレビューはいかがでしたか?いろいろダメ出ししてきたんですが(笑)、結局TTS-1は使わなくなり、Sound Canvas VAを使うことが多くなりました。
今の音源と比べると、ちょっとチープな感じは否めません。それでも、音が馴染みやすいというか、オケにするといい感じになるんですよね。ガチで制作するときは、ほかの有料ソフトシンセも使いますが、曲のスケッチやゲームミュージック、効果音探しでは便利な音源でした。
GM/GS音源としてのまとまり、1,600以上の音色、豊富なSFXは、今でもSound Canvas VAならではの魅力です。一方で、販売終了に加えて今後のアップデートもないため、これから導入する音源としてはおすすめできません。購入済みの人は、対応環境を残しながら大切に使っていく音源になりそうです。
最後に、稚拙ですが僕がSound Canvas VAで作った動画がありますので、ご賞味くださいな。一発で鳴らしたものではなく、エフェクターで加工してあるため、そのままの音の参考になるかはわかりませんけど……(^.^;
では、また♪
Sound Canvas VA(Roland公式・販売完了製品)
- マルチティンバー音源:複数のMIDIチャンネルを受け持てる音源のこと。1つの音源で複数の音色を鳴らせるので便利ですよ。 ↩︎
- GM音源:GM(General MIDI)規格に対応したMIDIデータを再生できる音源。Sound Canvasシリーズは、その代表的な存在です。 ↩︎
- SONAR:Cakewalk社のDAWソフト。当時はRoland傘下だった時期もあります。2017年12月に開発・販売が終了しましたが、その後BandLabがCakewalkの資産を取得しました。 ↩︎
- マルチアウト:1つの音源から複数のオーディオ出力を取り出せる機能。パラアウトともいいます。たとえばドラムだけ、ベースだけを別出力にして、それぞれ別のエフェクタープラグインで処理できます。 ↩︎
- 実はド定番のGM専用音源は、これまであまり触ったことがありません。GM対応音源なら、たくさん触ってきましたけどね^^ ↩︎